ボートに乗り約30分ほどでヒンドゥー教徒にとって"不浄の地"とされる"向こう岸"へたどり着いた俺。
"不浄の地"と呼ばれるこちら側の大陸は本当に"なんもない"と言う言葉がピッタリとハマる様な場所で見渡す限りとにもかくにも"なんもない"のだ。
砂漠の様に砂辺が果てしなく続き、ちらほらとなんの為に来たんだかわからんインド人達が"カイト遊び"を甲子園大会決勝の当事者の様な真剣な表情で楽しんでいる。
※カイトとは凧上げの様な遊びの事です。
(向こう岸は楽しいぞ~!!!はっはっは)
メガネは俺にそう言っていた
超つまんねーんだけど
僕
"おい、何がおもしろいの?"
メガネ
"はっはっは!カイトをあげようじゃないか!"
インドまできてなんで凧上げ??
僕
"もういーや。写真もとれたし戻ろう"
メガネ
"何いってんだ!ここまで来たんだ!カイトをやろう!"
なんでそんな凧上げやりてーの?
とにもかくにもカイト遊びに付き合わない限り戻ってくれそうにないメガネの態度に観念しどこに隠し持っていたのかいつのまにやら用意されていたカイトをメガネと二人で上げる事に。
メガネ
"俺は凧上げが最高に上手いんだ!見てろ!それ!ハハハハハハハ!!!ほら!見ろよ!どうだ!?ハハハハハハハ!!ソレソレ!!ウワヒャハハハ!!!ウヒョ!"
メガネはアホみたいに凧上げが上手かったしアホみたいにはしゃいでいたしアホみたいな顔面でゲラゲラ笑いながら走り回っていた。
こうして、2時間以上凧上げを堪能したメガネはようやくガートへ戻る事を許可してくれたのだった。
凧上げでここまで体力を使ったのは間違いなくこれが最初で最後だろう…くたくたになりながらメガネが漕ぎだしたボートでくつろぐ俺。
このくそメガネが。とにかく一刻も早く休みたい…。そんな事を考えていると
メガネ
"ヘイ!こーた!あれを見ろ!とっても綺麗だろー!!ワハハハ!"
いちいちうるせーよメガネ
重い首をあげメガネが指差す方向に目を向ける
……とんでもない絶景が目の前に広がっていた。
世界最大の聖なる川、ガンジス川に夕陽が沈んでいきガート沿いの旧市街、不浄の地と呼ばれる向こう岸、力強く建ち並ぶ寺院、水浴びをしてはしゃぐ子供達、物思いに更けるサドゥ、憂いの表情を浮かべ不思議なメロディを奏でるシタール奏者。そんな"ヴァラナシの全て"の光景を神々しく夕陽が照らしなんとも言えない素敵な"雰囲気"を醸し出しているのだ。
不服ではあったが俺は少しこのメガネに感謝していた。こんな光景が見れたのだ。メガネの"カイト遊び"に付き合うのも悪くなかったのかな。と。
※バットトリップして死にかけているバカや川にう○こをかますインド女、カレーみたいななんかよくわからん食い物をひたすら川にぶん投げ続けるおっさん、等々バラエティ豊かな連中も当然の如くこの光景に含まれ溶け込んでおりました
ガートへ戻った俺は本当に疲れていた。
とにもかくにも一秒でも早く眠りにつきたい俺はメガネに宿を紹介してもらい粗末な適当な宿に泊まることに…。クソキタネーベットにダイブし横になった数秒後には俺の意識はすでに別世界へ誘われていった…インドについてからようやくまともに眠りにつく事になったのだった…
続く
自己紹介
- NaturalCafe ROUTE99
- みなさま、こんにちは。 仙台市泉区のカフェ ROUTE99です。 オーガニック生豆を自家焙煎したコーヒー。素材にこだわった素朴なおかしたち。お店で焼いているパンをサンドイッチに! どうぞごゆっくり♪